日本のスポーツ界に求められる人材の能力を<基礎能力>、<専門能力>、<実践能力>に分けて学びます。また<分野横断型問題解決力>、<国際コミュニケーション能力>の習得に向けたプログラムも実施します。
【Phase1】
<基礎能力>(スポーツ経営人材として共通に必要な能力)
スポーツ界に関わらず、複雑性・不確実性を増していく世界の中では、単一のソリューションが解決できる問題は限られています。多くの課題は複雑に絡み合っていて、システムとして問題を捉え、システムとして取り組まねば解決することはできない状況にあり、既存の思考を超えたイノベーティブな思考が求められています。私たちは、この様な環境で活躍する人材に求められる基礎的な能力は下記3つと定義しています。
- ・多視点化力:対象を正確に理解するために必要十分な視点を考え出す力
- ・構造化力:対象を構成要素と構成要素間の関係性の観点から組み立てる力
- ・可視化力:構造化された対象を可視化して多くの人と共有する力
これらの基礎的な能力を獲得することで、スポーツの持つ力を最大限に活かした産業振興や社会課題の解決の第一歩が踏み出せると考えています。また、スポーツに関する多数の専門知識の獲得を行う際にも、複数の知識が整理して理解されることで専門知識の活用度合いが高まることが期待できます。
【Phase2+3】
<専門能力>(直面する課題に応じて必要となる能力)
スポーツ経営人材に求められる専門能力は多岐に渡ります。複雑度が増しているスポーツ分野の経営においては、修得すべき教育科目の細分化の傾向は強まっています。しかし、専門科目群を安易に設置しようとすると、膨大な科目群が必要になり、それは実務で活かせる現実的な対応策とはなりません。そのため、本プログラムでは科目群の構成を「教える内容による細分化」ではなく、「問題の質」や「創出する価値の種類」などで再定義し、メタ的に再構築します。
【Phase4】
<実践能力>(基礎能力と専門能力、コア・コンピタンスを統合的に運用する能力)
スポーツ経営の現場で求められるのは、直面する課題に対して基礎能力と専門能力、コア・コンピタンスを統合的に運用して、問題定義と解決を行う能力です。特に本プログラムに参加する受講生が直面する本質的な課題は、参考となる事例が少ないことが予想されており、「問題の発見」「問題の再定義」「提供価値の明確化」「アイデアの創出」「解決策の立案」「解決策の実行」を如何に進めていくのか、受講生自らが考え出すことが求められます。つまり問題解決のやり方だけでなく、問題解決の考え方を含めた、思考のプロセスからつくり上げていくことができる能力が求められるため、それらに対応すべくプロジェクトベースドラーニング型講義を実施します。
【その他】
<分野横断型問題解決力>
スポーツを取り巻く環境はさらに大規模かつ複雑なものとなっています。その中でスポーツ経営人材が求められるのは単一課題の解決では無く、社会課題を含むスポーツを取り巻く環境との影響を考慮したシステムとしての問題解決力になります。そのためには分野を横断した問題解決力の醸成が不可欠です。<実践能力>における統合運用力教育を進化させ、この能力を分野横断的に活用出来るようなプログラムを実施します。
<国際コミュニケーション能力>
単なる英語によるコミュニケーション力ではなく、多様性のある国際スポーツビジネス環境において、各国の文化的コンテキストを考慮しながら適切なコミュニケーションを図る力の醸成は必須です。そのため英語による講義やプレゼンテーションによる語学力教育はもちろん、非言語的コミュニケーションとしての構造化と可視化力を育成します。
※プログラム内容、日時等は変更となる可能性がございます。